◾︎赤ワイン・月の満ち欠け
昨日、土曜日。
kから朝、Lineが届いた。
彼はいつも、長いLineをくれるので、
私はそれらを
毎日彼から贈られてくる
大切な恋文のように。
あるいは、
大切なギフトのように思いながら
何度でも読み返す。
昨夜は帰宅が遅かったこと。
今日は午後から車屋に行ってくる、と綴られたLine。
それで私は、土曜日なのだと思い、
そうか、彼は今日休めたのだなと知った。
それと。
車屋の後はきっと、彼の時間が空くのだということも。
言葉にはされていなかったけれども。
午後は車屋に行くー
その言葉の端に、またはど真ん中に
「そのあとは時間が空くから、会えるかな」の文字は
まるで透き絵の絵のように。
なので私はこう返信した。
車屋さんの後は?と。
その後、彼からの連絡は無く、
私はサロンワークでずっとサロンに籠っていた。
15時過ぎに
今から行っていい?と連絡があり、
想いはきちんと重なっていたな、と思う。
愛の言葉よりも
愛を感じた。
程なくkの車が私の車庫に入り、
私はサンダルをつっかけて駐車場に出て、
いつものように車の影で
待ち侘びていたサインのkissをする。
彼も
待ち侘びていたことは分かっていたサインのそれを返してくれる。
今日、日曜はkに予定があったので
今月はもう週末が無いし
3月まで会えないだろうと思っていたけれども。
ー水曜の朝に見送った彼に、土曜の午後にまた会えることはー
恋の神さまの采配だろうか。
今日は外で食事しようか、とkが言い
夕べは焼肉屋へ。

シャトーブリアンは、口の中に入った瞬間に溶けて消えた。
まるであなたの舌みたい、というと
kはにっこりと笑う。
kは大盛りの、海苔と卵の乗ったライスを4杯平らげた。
彼の旺盛な食欲、それと眠欲、そして性欲。
欲深い男が好きだ、と思う。
奔放に生きているように見えるけれども
秩序を守るkの、キリッとした生き方に憧れる。
店のアンケート用紙に、
何やらメッセージを書いていたk。
「味よし
見た目よし
コスパよし
接客よし
満点です」
素敵な人だ。

店を出ると、美しい下弦の月が
漆黒の空に架かっていた。
昨日は彼が早く来てくれたので、
帰宅して、
愛を交わし、
風呂に入ってもまだ20時過ぎで
奇跡みたいだとkが言う。
二人で赤ワインを開けて、
そして二人で赤ワインを空けた。
週末の夜の中、二人はとりとめの無い話をし、
結局は深夜になってから眠りについた。
どんなに月がその満ち欠けを繰り返し、
丸くなったり、弓のようになったりしても、
本質は変わらずに球体であるように。
私たちも。
それになぞらうように。
まん丸な二人でいたいと願う。
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