▪︎熾火。

長野旅行の後

会っていなかった。

長野明けから、夜勤シフトになった彼。

いつも朝4時に起きる人が

朝の4時まで仕事になった。

先週、金曜の夜に

「明日の早朝に行くよ」と連絡が来ていた。

「6時半から7時くらいかな」と。

帰ってきたら

お風呂入って、食事をしてから寝たいと言っていたので。

なので私は早朝から起き出して

ご飯やお味噌汁や鶏肉や、茄子やさつま揚げなどの支度をして

彼の帰りを待っていたんだけれども。

けれども。

彼は一旦自宅に帰宅し

寝落ちてそのままー

夜になるまで連絡を寄越さなかった。

ごめん、お風呂で寝ちゃって、出てから爆睡してた

明日、会社行かなきゃだから、今週は行くのやめるね

ごめんね

私はとてもがっかりして。

そして結果、大量の食材を持て余すことになった。

寝てるのかしらと思ってた。疲れてたのね

明日も会社なの?

じゃ、色々買ったものは冷凍しとく。

作ったものは自分で食べる笑

言葉を選び。

落胆ばかりが伝わらぬよう。

彼を気遣っていることも、きちんと伝わるよう。

けれども。

少し寂しい気持ちも伝わるようにと。

そう思って送ったんだけれども

あとあと、こんな優しさの足りないメッセージは

送らなければよかったのでは、などと

私は後悔もし、

けれど、とは言え

「待ち人来ず」がきちんと受け容れきれず。

少し

ーいや、それはとてもとてもー

切ない想いになってしまった。

彼は、

仕事の時。

職場の人と飲んでいる時。

子ども達と会っている時。

週末にバイトしている時。

など

は一切連絡をしてこない。

そしてーそれ以外の自分の時間ー

仕事が終わった、とか。

子ども達と分かれた、とか。

職場の飲み会が終わって帰宅し、ぐっすり眠った翌朝。とかに

いつもと同じように連絡を寄越し

そしてここへ来て

ーそれ以外の自分の時間のすべてをー

彼は私との時間に埋もれる。

「そのとき」に全力集中する人だ。

それはとても素晴らしいことだと思う。

反面、

私といないとき、の彼と

私といるとき、の彼との

大いなるギャップに私はいまだにconfuseすることがあるけれども。

そしてようやく。

昨日の夜に、それ以来のLineが届いた。

わかば、お疲れさま

ご飯作ってくれてたんだね

ありがとう、ごめん

木、金の昼間は講習で、

夜は今週まで夜勤だから

土曜の朝方に行けそうだけど

朝早すぎるから土曜の夕方とかの方がいいよね?

待ち侘びたLine。

早すぎてもいいのに、と思ったし、

早すぎるけど行くね、と言ったらいいのに、とも思う。

兎にも角にも。

愛しい人からの連絡に、私は心から安堵をした。

お疲れ様ね

ー中略ー

土曜の朝、家に帰るとまた寝落ちるかもだから笑

お仕事終わったらそのままこっちへ来て。

半日でも早く会いたいし

4時でも4時半でも、終わったら向かって。

お風呂入ってすぐに寝るでもいいし、そのままご飯でも。

あなたが一番休まるようにしよう。

今日から彼は

研修と夜勤を繰り返すので

ほとんど寝る時間が無いだろう。

なぜ、こんなに働くのだろう、と思うけれど。

それが彼の生き方のスタンスなので私はなにも言わない。

研修と夜勤の間は車中泊をするので

作業服が3日分になるけど大丈夫?

洗濯の心配をする愛しい人だ。

彼の身体の心配は私がしよう、と思う。

土曜の朝

ようやく彼に会える。

ほんの10日余り会わずにいると

彼が足りなくなる。

切なさと愛しさはいつも背中合わせだと思う。

両方を抱いて、

私は彼を愛することだろう。

ただただ、彼が大好き。

それ以外の想いは何も存在しない。

寂聴が言った「恋は情熱の発露」とはまさに。

これ然り、と思う。

この熱は冷めることが無いだろう。

熱くも。静かにも。

熾火のように。

それはいつも私の一番奥の真髄に在り続け、

ゆらゆらと。

時にはめらめらと。

私の心を燃やすことと思う。

私はそれに抗うことができない。

#大人の恋#恋愛小説#最後の最愛#恋は情熱の発露