▪︎埋もれるふたり

次に会えるのは

土曜の夜かなと思っていて、

なので昨日はサロンワークの後、カルテの整理などでパソコンと睨めっこしていて。

遅くならないうちにシャワーをとソファから立ち上がったところにkからのLine。

「お疲れさま。後で行くね〜!」

ん?

後で?

と言うことは今夜?

kの唐突。

今何してる?とか

今夜行ってもいい?ではなくて。

後で行く。

この短いセンテンスに私は心底にやられてしまう。

とりあえずシャワー。

それから買い物。

kのためにお風呂を溜めて。

ご飯を炊いて。

と頭の中でグルグルと予定を立てた。

22:11に着くよ、と言う。

そしてその時刻にkはやってきて。

懐こい笑顔で笑う。

私は何もかもを掴まれてしまい、

太刀打ちできず。

大きな皿に、生姜焼きを山盛りに作り

卵を茹でて、ほうれん草のサラダを作り

ブリの刺身を盛り付け

味噌汁を添えて。

あとは彼がその旺盛な食欲で、皿の上のそれぞれを平らげていくのを

ただただ見つめていた。

ガチ見!

と笑われるけれども、私は目を離さない。

離せない。

だって目の前に彼がいるのに

それ以外に、見るものが見つからない。

食事の後に白ワインをグラスに一杯ずつ飲んだらもう

kのまぶたは閉じ始め

そのまま朝まで眠り、朝方に愛を交わす。

彼の匂いとか

寝ている形とか

背中や腕の温かさとか

その慈しむような愛し方とか。

何もかもが愛しすぎて私はー

理性とか知性とかのおよそ及ばないどこかへいつも

連れていかれそれを愉しみ

享受する。

今日はサロンの予約が詰まっているので

夜からまた

窮屈で居心地の良い、

離れ難いその場所に、

私たちは埋もれるだろう。

#大人の恋#最後の最愛#恋愛小説#埋もれる