▪︎優しさと悲しみ
今日彼は、月に一度の子ども達との面会日。
彼はこの日を毎月、とても大切にしている。
私は何度か離婚を経験していて、
子ども達の実父も
その後再婚して養父となった人も、
離婚後、子ども達と会ったことは無い。
ーそれはどちらの夫もー
DVに関与した離婚であったことと
二人めの夫はそもそも、子ども達とは血縁が無かったので
離婚と同時に「親子の関係」が自然に消滅したこともあると思う。
なので私は
ー「自分の経験」からー
「離婚後に毎月、子ども達に会う父」ー私の恋人ーを
初めて見ている。
それも毎月。
ある意味、不思議な気持ちで。
ある意味、訝しい想いで。
今週は、土曜もお昼まで仕事だった彼は
土曜日の夕方に私のところに来た。
ニコニコと。
いつもと変わらない笑顔と
いつもと変わらないタバコの匂い。
それと
いつもと変わらない
ただいま、おかえりなさいませ、の
甘い抱擁と。
日曜の朝、ここから見送って6日しか経っていないのに
彼に対してはいつも
懐かしさのような想いを感じる。
一週間が過ぎ、互いに仕事を終え
彼が訪ねてくる週末。
そこでようやく、私の一週間には意味が足され
私は満たされ、
そしてまた次の新しい一週間を歩いていかれるような
そんな気持ちに彼はさせる。

バジルとレモンのソーセージ
レタスとオニオンのサラダ
ズッキーニのチーズ焼き
明太子と魚介のパスタ
ー枝豆は、パスタを茹でている間に彼の胃の中に吸い込まれたー
彼のパスタはいつも300グラム。
その、ひと口の多さに、毎回私は目を見張っている。
帰宅後すぐに風呂に入り、
食事を終えてもまだ19時前だった。
食べ終えた食器をシンクに片付けに行くと
彼もビールの空き缶を持って立ってくるので
座ってて、と声をかけた。
私がするから、休んでて、と。
彼の手から空き缶をもらうと
彼が私を抱きしめるので
私は缶を持ったまま、その愛撫に応えているうち。
二人は熱を帯び、熱さを増し
私の手から離れ、
缶は床に転がり、
腕を回し合い離れぬまま、
私たちはベッドに転がる。
彼と私は身体がとても合う。
大事なことだと思う。
それを言葉にしたことは無いけれども。
彼もきっとそう思っていることを
私はいつも身体を通して感じる。
とても深く。
これからまた自分の時間に埋もれる。
仕事。
と言っても私の仕事は私自身そのものであるので
私にとってのサロンワークは「仕事」とは呼ばないのかも知れないけれども。
それとジムと。
書き物と。
週に一度か二度の温泉と。
深夜ーあるいは明け方までのー映画鑑賞とか。
そんな時間を繰り返しているうちに
新しい週末は巡るだろう。
彼は明日から夜勤になるので、次に会えるのは
金曜の夜勤明けの土曜の早朝。
指折り数えながら私は生きる。
別々の場所で
同じ時間を。
恋は優しさや力を生む。
悲しみや切なさとと共に。
どちらを取る?
優しさ?
悲しみ?
答えは決まっている。
でしょ?

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