▪︎眠るきみの隣で
夕べは22時を回ってここへ帰ってきたK。
一週間働き詰めで、ようやく土曜の夜。
ホワイトデーにと先日彼からもらった青いスパークリングに合う料理をと。
昨日はイタリアンに。

青い海みたいなワインと
赤いパスタ、スープ、ピザ、サラダ。
どの料理にもトマトを使って
一週間がんばった彼にリコピンとオリーブオイルいっぱいの夕食。
ワインはキリッとした辛口で
あっという間に空いてしまい、
気づけば時計は0時を回っていて、
ベッドに入ると同時に、彼の
いつもの
健やかな寝息が聞こえ始め
私は心底に安堵を感じ
彼の大きな背に腕を回し
そのまま眠った。
kが寝息の狭間に「おやすみ」と言ったので
私も「おやすみ」と返して
彼のおでこに唇を付けた。
彼は眠ったままで微笑む。
吐息のようなその、
呪文のようなその、
kのおやすみの声が
とても大好き。
今朝はいつもの休日より少し早めに起きて
持ってきたパソコンで仕事をしていたK。
一通り片付いてから食事をし
珈琲とスープが終わると、彼の大きな瞳がまた閉じ始める。
彼が横になるので
リビングの床暖房を入れ、
弱めにヒーターを付けると
Kはまた眠りに落ちた。
今、その静かな寝息を聴きながら。
その、愛おし過ぎる寝姿や寝顔を見ながら
このblogを書いています。
いつから
私はこんなに、この人に魅せられたのかと記憶を辿ると。
私が雷に打たれたのは
彼が私の目の前に立った11月のあの夜、あの瞬間だった。
あの時の。
私の視界のすべてを覆ってそこに立っていた彼の
美しい立ち姿を私は、生涯忘れることは無いと思う。
大人の恋にはどうしても切なさが付き纏う。
影のように。
けれども今はそれさえもが愛しく思え、手放せない。
彼と過ごすこの一瞬、一瞬が尊くて大切。
これまでのたくさんの苦しみや、絶望や、悲しみや、苦悩の全てが、
ここに繋がっていたのなら
これまでの何もかも、一つも無駄では無かったと。
彼に会うことで、淘汰される伏線だったと。
今とてもよく分かる。
あなたも。
愛する子供達と離れて寂しかったでしょう?
孤独は時々は堪えるでしょう?
毎週末、必ずここへ来てくれる君は
ー寂しいとか孤独だとか
その手の類の言葉を決して吐かないけれどもー
けれどもあなたがくれる、
夥しい数のキスの一つ・一つに。
料理を頬張る幸せそうな表情に。
風呂に浸かって「は〜〜〜っ」と弛緩する緩やかな声に。
私を貫く時の強い雄の力に。
あなたの何もかもに。
独りで生きたここ数年の、孤独の気配を感じる。
そしてそれらをー無意識にー
解放しているあなたを。
kのために。
彼が幸せだと感じることのために。
彼が孤独を感じないために。
彼の心が豊かであるために。
何か私にできることはないかしら、と
そればかりを想って私はこの人といたいと願う。
いようと思う。
Kが時々言うの。
見つめ合うより、同じ方向を見て歩く方がいい、と。
この言葉は私の大好きな「星の王子様」の著者/サン=テグジュペリの名言。
「愛とは、互いに見つめ合うことではなく、共に同じ方向を見つめること」
君は。
愛の真髄を私に伝えるの?
私たちは同じ方向を見ているかしら?
訊けないけれども。
そうであってほしいと願っている。
今、私の目の前で静かに眠るあなたが
心も身体も健やかでありますよう、
どこにも痛みが無く
寒くもなく暑くもなく、
平和でありますよう、
それだけを心から祈る想いで私は
眠るあなたを見つめている。
#大人の恋#恋愛小説#最後の最愛#愛とは同じ方向を見つめること


