▪︎籠る

kが眠っている。

いつもと変わらぬ健やかな眠り。

お腹いっぱい食べて、

二人で白ワインを1本空けて。

そして彼は

ベッドまで行かれないくらいに疲れて、

リビングで寝落ちる。

なので今夜は、リビングに客用の布団を敷いた。

愛おしい、とおもう。

それだけだ、とも。

だってほかに何が要る?

それだけしか

言葉が浮かばない。

ボキャブラリー不足だろうか。

この。

愛しさ以外に

何か必要かしら。

肉がいいな、と言うので

山盛りの生姜焼きを作り、

でも魚も、とか

それと野菜も、とか。

そして今夜は白ワインを空けた。

彼を愛していることを。

彼は知っているのかしら。

あしたはゆっくりしましょう。

またどこへも行かずに二人は

ここに籠るだろう。

ここが一番居心地が良いのだ、二人にとって。

何も足し引きする必要のない、

小さな

二人だけの世界がここにある。

あすはそこに籠って

二人だけの小さな世界に溺れて過ごそう。

身体中の凹凸を合わせ、

違いを感じ合いながら

会えなかった5日間を埋めよう。

二人の体温で。

#大人の恋#恋愛小説#最後の最愛#ただ愛しいだけ