▪︎安堵・必然・蜜
kは帰り
夜は更けてゆき
私は彼に包まれていた時と同じように今もまだ
彼に包まれたまま。
眠る彼も
話している彼も
食事をしていても
買い物中も
タバコを吸っている時も
私の上に君臨し、強く腰を叩きつけて
私を翻弄し、極みへ上り詰めてゆく彼も。
どんな彼もが愛しく。
大切で。
大好きで。
こんな恋をしたことが今まで無かったと
こんなに生きてから知る。
鬱。
パニック障害。
境界性パーソナリティ障害。
職業柄なのか。
私が引き寄せたのか
引き寄せられたのか。
わからないけれども。
これまでの人は、闇の中で藻掻く人ばかりだった。
kといるときのような。
心とからだの両方が共に弛緩するような安堵は
もらったことが無かったと。
ーそれをkから授かって初めてー
私は知った。
子ども達が巣立ち
一人で、ここへ越してきていなければ
私は彼と出会っていない。
彼が数年前に離婚をしていなかったとしても然り。
すべては偶然ではなく。
偶然のように見える必然だけに彩られている。
人と人の縁はすべて、必然の輪廻の中に在る。
またね、と言い合って分かれた。
あなたと生きる時間の
1秒、また1秒が、尊くて大切過ぎて。
kの胸に抱かれて微睡み
眠りに落ちていく漆黒の夜の中、
これからどれだけ共にいられるのかしらと
少しの泣きたいような衝動と闘いながら、
甘い蜜のときに私は首までどっぷりと浸かって
身動きができない。
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