▪︎育まれ・迸る

私たちは、会えない朝と夜に

長いLineを送り合う。

いや、

贈り合う。

大概、800文字

ー原稿用紙2枚ーくらいのLineを

日に2回ずつ。

それは日毎の二人の恋文。

丁寧に綴られたその

kの紡ぐ文字たちは、

いつもあまりにもキラキラとしている。

kはたとえば4時に目覚めると、そのまま

その日の現場へもう、車で出かけてしまう。

仕事にかかり始めたら、携帯に触れることが無い。

なので、

現場に着いた早朝、とか。

あるいは寝起きの4時すぎとか。

帰宅してようやく一息つけた夜の時間、などに

そのLineは贈られてきて

私は毎回、その長い恋文を味わう。

噛み締め、噛み締め

ゆっくりとそれらが喉元を過ぎ

私の内臓に落ち、

私の血肉に混じり合って同化していくように。

私はkの言葉や、

およそ彼の風貌にそぐわないーと、私は思っているー

可愛らしい、動く絵文字とか、

みんなみんなそれらの全てはひつつ残らずー

私の中に取り込まれていく。

逢えない時間が愛育てるのさ

育てている、と感じる。

育っているな、とも。

育まれていくな、とも。

二人の想いは重なり合って、

二人の言葉は混じり合って、

まるでもう私たちは、古くからの知り合いのように

心を交わす。

愛は、鏤められ過ぎていて、

キラキラとしたそのkの

言葉の迸りはまるで、

彼が

ベッドの中で

私の奥にその、熱い想いの丈を放つときの

迸り、にも少し似ている。

活字中毒のわたしに

恋の神様が授けてくれた

彼は私のタカラモノ。

かけがえのない。

誰も替わりにはならない。

唯一無二のー

「今が何より充実してる。
未来を作るのは今だから。
ずーっと一緒にいてね。」

「ほんとに。
今の充実が、未来へ繋がってく。
ずーっと一緒にいて、っていうフレーズは

とってもとっても嬉しい。

k君の心感じて。
ずっといる。」

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