▪︎待ち焦がれ・それは叶う
13時前にkから連絡があった。
「疲れてるのか、無気力だった。」と。
それと。
「これから行ってもいい?」と。
忙しかったと思う。
先週末、下田の温泉から4時間以上をかけて、私の家へ戻り
夜に自宅へ戻って、
その翌日深夜1:30には起きて、仕事先へ向かった。
それから昨日まで働き尽くめだった。
元来kは、タフでストイックでアクティブな人だけれども。
静と動がアンバランスになってしまったのかも知れない。
それでも。
ここへ来てくれる彼の
想いや愛を感じた。
逢いたいと思う人が
逢いたいと思ってくれている。
もうそれ以上何も、要るものは無い。
いつものように、
キッチンの窓が、彼の車のテールランプで明るく光る。
何度経験しても
その度、胸が跳ね上がるようになり、
車を降りてきた背の高いkの首に腕を回して
ずっとずっと欲しくてたまらなかった
彼からの甘いキスを受けた。
家に入るまでの、ほんの十数秒が待ちきれず二人は
玄関へ向かう通路の途中で
抱き合って唇を寄せ合った。
夕食にはまだ早かったし
一週間ぶりに会った二人は
我慢ができない。
彼にもらうキスや
私の背を這うその大きな手の平や
タバコの香り。
抱擁だけで終わりにはできない。
それは序章。
夜はミルフィーユ鍋にし、〆にパスタを入れて
赤ワインで乾杯。
目の前に彼がいて
笑っている。
幸せな時間は確かに準備されていた。
当たり前みたいに、
それは感じられるんだけれども。
私はとてもよく知っている。
そのすべてが決して当たり前ではないことを。
奇跡みたいな時間が今、
連なって訪れているのだということを。
kの肌や唇の形、私を抱く時の腕の強さや
吐息の甘さ。
すべては奇跡がもたらす、大切なたからもの。
今、私の目の前にいるこの
世界で一番素敵な、世界でただ一人の恋しい人を
私は生涯、離さないだろう。
こんなふうに思えたことは、今までの誰に対しても無かった。
いつかは、終わるのだと。
終わりに向かっていく焦燥がいつもあった。
悲しいくらいに。
今、kに感じるこの、「永遠」とか「悠久」のような感覚は
彼だけがわたしに授けてくれる
たしかな幸せのカタチだと思う。
#恋愛小説#大人の恋#最後の最愛#目の前に彼がいる幸せ#永遠とか悠久とか


