▪あなたを知る前には戻れない
出会う前にお互い
長い長い時間があった。
それまで私は、
k無しで生きていたし
彼は私を知らずに生きてこられていた。
けれども。
kを知ってからは。
あなた無しでは到底
生きられなくなってしまったのは
なぜかしら。
互いに、別の人と結婚をした時間。
子どもを授かり
別の人生を生きた時間。
そして互いに
それまでのパートナーと別れ
その後に
二人は巡り合い、恋に堕ちた。
君は既に。
私の中に息衝いている。
その、君のbreathを我が内に感じることで
わたしは今、
生きた心地がしているの。
今分かっていることは、
出会う前にはもう戻れない、ということ。
きっと今もう私たちふたり
お互いの中に存在している気がする。
少なくともk君はもう
私の中に棲み付いているもの。
私の心のど真ん中に
k君の居場所があるの。
こんなに愛されたこと無いって、
k君が思ってくれるくらいに
あなたを想いたい。
それなら俺は
いつでもわかばの中に帰れるね。
今年はわかばのことをもっと知って
恋も愛も育んでいきたい。
こんなに愛されたこと無いって
想い合えたら幸せだし
理想だよね。
明日の夜、kはここに来る。
明日の今ごろ、私は彼の腕の中。
人は人を愛する時
いつもどこかで本当の自分
飾り気のない自分をさらけ出してしまうのだろう。
相手に見せたい自分、
こんなふうに見てもらいたいと願う自分は
実は常に、中身のない、実体のない、
ただの脱け殻にすぎない。
ー小池真理子「愛するということ」抜粋ー
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